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研究者ブログ

母校で末松理事長のお話を伺う

母校の東京医科歯科大学で「第3回基礎系教授の会」という研究会が開催され、今回はスピーカーとして登壇しました。御茶ノ水の駅前にある、便利さという意味ではこの上ない大学なのですが、1年ぶりくらいに訪れたら、駅側のゲートから歯学部側の部分が大規模改装中。伺ってみると、新たな建物が設置される予定とのこと。ついでにバリアフリー化も進むと良いのではと思いました。 自分のトークは「エピジェネティクスから考える次世代の健康」というタイトルで、少子高齢化の中で「高齢者」の疾病対策に注目が集まりがちですが、本当はサステナブルな社会のためには、次世代のことをもっと考えるべき、という主張をしました。 このプレゼンが今年の最初になりますが、資料の準備をしていて気になったのが、厚労省の「第一子を生む年齢」と、少子化白書の女性の年齢別就業率の一番低い年齢の齟齬でした。 下記が第一子、第二子、第三子を持つ母親の年齢の平均値の年次推移です。1950年代の24歳くらいから、どんどん上昇し、現在は31歳くらいとなっています(やや上げ止まった印象もあります)。 ただ、この年齢は私の周囲の環境を考えると、若干違和感があって、皆さんもっと高齢出産しているなぁ……と思うのですが。 それにぴったり合致するデータはこちらです。 横軸が5歳刻みの年齢、縦軸が就業率を表していて、女性が出産育児で退職することによって就業率が下がる「M字カーブ」から「ベル型」に以降していくのがリーズナブル、と読み取るデータなのですが、そのボトムが1978年には25-29歳のところにありました。 それが、2018年のデータでは、もっとも低い値となるのが35-39歳へと、10歳、シフトしているのです。つまり、高齢出産の限界のあたりのところで駆け込み出産となるからでしょうか・・・。 少子化について言えば、女性が「権利として就業したい」ということ以上に、平均給与が年間400万円代前半に留まっていることや、家庭における教育費の負担の方が大きな要因になっているように思えます。今回は考察していませんが、地域による違いもありますね。そんなイントロの後に、父加齢による次世代の健康への影響について、自分の研究データも交えて話をしました。例えば、出生体重2500g未満の低体重出生児が日本では1割弱もいること、その影響は成人になってからでもありえることなど、医科歯科大学時代の「発生学vs奇形学」から、「DOHaD(Developmental Origin of Health & Disease)」という方向にシフトしてきたことなど。……というような私の話は、より壮大なAMED理事長の末松先生のお話の前座でありました。打ち合わせたように、少子高齢化のイントロから始まり、健康長寿を実現するための国の背作として、健康医療情報をくまなく集めて、研究者が個々の大学・研究機関から使えるようにするだけでなく、企業による二次利用も可能にするような広域連携の重要性を強調しておられました。 また、その際に重要なのはプラットフォームが共通していること、ということもあります。 Moon-shots vs Loon-shotsというお話もありました。とくに生命科学分野では、巨大な装置を一つ造って、皆で利用するというタイプの研究は向いていません。もう少し小ぶりな、でも最先端の機器が複数利用でき、さらにその向かう先が同じ方向を向いているのが重要というお話は、膝を打つものでした。また質疑応答の中の「変異は多様性」というお言葉も、きっとどこかで使わせて頂こうと思いました。 AMEDが立ち上がる前年に、国会の参考人としてご一緒に呼ばれたのが懐かしいです……(遠い目)。

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